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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

『ごめんなさい……』

『あん?』


『セイくん…ごめんなさい。ごめんなさい…っ
セイくん ごめんなさいっ…私が悪かったの…
ごめんなさいっ…許して…
許してください……っっ』



私に覆い被さって
張り付くように体に触り続けるセイゴの耳に
届くように必死に叫んだ

何度も何度も叫んだ

ごめんなさい。やめてください
くるしい。…いたい
許してほしい
うちに帰して…


口が動かせるだけ
頭に浮かぶだけ
ひたすら言葉を口にした


けれど
私に降りかかってきたのは許しではなかった




『誰が休んでイイって言った…?』






『……っ!んぐっ…ゥエッ…ん…ぐっ』


再び男性器で口を塞がれ
窒息するほど何度も押し込まれる

喉の奥まで

代わる代わる……何度も


私をあざけ笑う男の人たちの笑い声


逃れようと頭を振れば髪の毛を掴まれ
正面を向かされ制裁が増した



一向にゆるめてくれない押さえ付ける力…


味わったことのない底なしの…
終わりのないかのような恐怖

こわくて

痛くて、苦しくて

息をすることさえも苦しくなる

なんとか解放されたい



パパ…ママ…たすけて

ソウタさん…マナさん たすけて…

カイト…たすけて

……おじいちゃん…たすけて



誰か……たすけて

誰か…私をここから助けて




死にたいくらい…
死ぬほど助けを求める時にこそ
救いは現れないことを
私はこの時に知った



そして、非道な行為をやめてくれない
目の前の男に向けて最後のお願いをした


もうやめてほしい
お願いだからやめてほしい…と

最後の力を振り絞るように言った





『やめるワケないじゃん…やめると思った?』




あっさりと…
無情な言葉が返ってきて私に突き刺さった

そして……


「~顔に似合わずエロい体してんなぁコイツ」

「セーゴ~はやくしろよ~、待てねぇっての!
チチ揉んでいいか~?」

『好きにしろ。…ジャマだけはすんなよ?
…腕…押さえとけ』



彼らは私の言葉など
まるで聞こえていないかのように

何事もないように続けた……笑って


そう…

笑っているのだ


この人たちは…


恐怖に怯え
泣いている私をみて
笑っているのだった



おもちゃで遊ぶように…嬉しそうに

たのしそうに…

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