Best name ~ 追憶 ~
第5章 あの人に…お似合いの女の子
目を合わせたい時は
私が少し背伸びして
彼が屈んで少し腰をおとす
キスをするときも
背伸びと屈み・・・
共同作業・・・それが
自然で
私のとっても好きな瞬間
一人で…じゃない
一緒にするから
私はきっと…「首が疲れる」なんて
そんな皮肉めいた悪態を彼につくことは
二度とないと思います(苦笑)
『アイル♪靴でも見るか?
好きそうな店あるぞ』
デートの最中…彼から提案
可愛い靴が沢山並んだお店に寄った
最近お気に入りで
デートの時には履いていた
あのハイヒールが
姿を消した事を察してくれたのかな?
『これが・・・いいかな?』
『似合うじゃん…♪』
同調してくれながらも
私の選んだ靴を見て
少し意外そうにしてるリョウキ
『これにする・・・♪』
すっごく大人っぽいわけではないけど
可愛い色のオシャレな靴
ヒールの高さは
この間ダメにした靴の半分くらい
7センチ程度のもの
『~♪いいのか?あっちにもっと…』
彼がお店を見渡して
私がダメにした靴に
似たようなものを勧めてくれようと
したみたいだったけど
『ううん…これにする
今は・・・これがいい』
女の子らしくしたいとか
彼に釣り合うようになりたいとか
時には
背伸びしちゃう事だって
あるかもしれない
だって…やっぱり好きだよ
オシャレな靴…ヒールの高い靴
その高い所にある目線に
少し近くなれるから・・・
だけど私・・・
今の私は
背伸びするなら、これくらいでいいや
無理やり背伸びしなくてもいい
大人っぽいって言われなくてもいい
着たい服を着て
背伸びするなら…時々ちょこっとくらいに
転んじゃうような
自分で自分に疲れちゃうような
背伸びより
大好きなこの手を
穏やかな気持ちで握って
二人並んで歩く事の方が
私にはとっても・・・幸せな事だから