無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

人並みに…普通に学校に行って

普通に勉強して

友達に恵まれて

夢を抱いて

毎日楽しく笑って…




私の暗くて黒い…悲しい過去に埋もれて
記憶から消し去られたような私の青春




ずっと…忘れていた

ううん

忘れようとしていたの




だって…どんなに恋しくても

悔しくても、悲しくても

取り戻せないものだとわかっていたから





手の届かないものを…求めるのはやめよう




私はきっと…こう思って生きてきた



思いがけない再会で
友人に会うこの日まで

私は、そんな自分の人生の一部を
振り返ろうともしなかった



パパもママもいない
ひとりぼっちの家にいる…さみしい女の子


それだけが私の人生じゃない


私の心に寄り添い、愛情を注ぎ
育ててくれた…おじいちゃんがいた


私を本当の妹のように可愛がり
いつもそばにいてくれた海翔(カイト)がいた


お互いに話せないことなんかない
いつでも強い味方
一緒に青春を過ごした親友がいた




そのすべてが
真っ黒な絵の具で…塗り潰されるほど
悲しくて苦しい出来事があった

取り返しのつかないことがあった
全てが忘れたい過去になった




それでも…



そんな私に寄り添って
支えてくれた人達がいた


私が立ち上がる為に
全身全霊で…力を貸してくれた
ソウタさんやマナさんがいた


過ぎ去りし日々は…戻らない


失った瞬間(とき)は


足掻いても、もがいても


取り戻すことは…できないのだ




だけど

やり直しの利かない人生なんてない

今の私は…そう思う




〃取り戻したい〃


そう思って努力することは

悔やんだり…嘆いたり

そういう


〃時の流れに逆らうこと〃



ではないと・・・私は思う




取り戻せない…戻りたい…戻れない



だからこそ・・・前に進むの







そうやって…乗り越えた先にいるのが

今・・・ここにいる

〃今を生きてる私〃だから




幼かったあの頃の私にとっては
全く違う未来を生きてる今の私は

新しい家族がいて
新しい友達がいて



そして・・・この世に二人といない

大好きな人に巡り逢えた




そんな〃今〃が

過去に縛られずに
前を向いて歩む事の素晴らしさの

何よりの〃証明〃だと
私は…思っているの