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『アイル……』

『ほんとにアイルだぁ…っ』








『アリサ・・・ミナミぃっ・・・！』








千葉くんに連れられて
予約していたお店の個室で


ついに・・・数年ぶりに


親友の二人と対面した









『アイルっ！久しぶり！！元気？！』


『ウケる(笑)ちっとも変わってなぁい！！！』







『ありひゃ・・・みにゃみ・・・っ』






変わらない態度で

変わらない接し方で

明るい親友・・・



その目には涙が滲んでいて

その泣き笑いが

私の感情を一瞬で揺さぶる






二人のその表情と

〃いつも通り〃に接する…

その、幾分かの…気づかい





それをみただけで・・・ううん

それ以前に二人の姿を見ただけで



私は…目の奥がジワジワと熱をもって

涙が溢れて

しばらく話すことも出来なかった







『ごめん・・・っ、ふたりとも

ずっと・・・いっぱい・・・心配

ごめん・・・みんな・・・ごめん』








『グスっ・・・

…っほんとだよ、バカアイル…』



『ウチらは…みんなは

わかってたんだよアイル…！』







『ごめん・・・ごめんっ・・・』







『アイルは水くさいんだよ…

昔っから我慢ばっかするから…っ』





『アリサ・・・っ、ごめん

みんなが…私のために・・・色々

私なにも知らなかった……ごめんっ』







『アイル！頑張ったね！

いっぱい頑張ったんだよね！

よく帰って来たね！おかえりアイルっ』






『ミナミっ・・・

もう会えないと思ってた

今までごめんっ・・・本当にごめん』









『ほら♪お前ら～

泣き泣きの挨拶はそんくらいにして

とりあえず席に着こうぜ？』







千葉くんが止めるまで
私と親友は抱擁を交わしてはなれなかった