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Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

『片瀬おはよ♪待たせたな』



『お…おはよう千葉くん・・・車?』





お昼を過ぎて待ち合わせ場所に行くと
千葉くんが車で迎えに来てくれた






『仲間に借りた♪その方が楽だろ?』







『う…うん、だけど千葉くん

運転するなら、お酒も飲めないじゃない』





『かまわない♪
今日は片瀬の〃おかえり会〃だ

細かいこと気にしないで
のびのびしろよ?な♪』






『あ…ありがとう…っ』




千葉くんの運転する車に揺られて
県境の大きな川を越えて
懐かしい景色が見えてくる

時々おじいちゃんのお墓参りに
ひとりで…どこかひっそりと
訪れてる時とは違う

ゆっくり…流れるように見える地元の景色









『電車より…ゆっくり見えるだろ?♪』






『千葉くん・・・まさかそのために』






『(笑)それもあるけどさ

車なら帰り時間も気にしないでいれるだろ?』







『う・・・ん』







『あ……あんま遅いのはマズイかやっぱ(笑)』







『あ…ううん、遅くなるって言ってきたし

彼も、今日は帰り遅いみたいだから
気にしないで

千葉くん・・・ほんとに
色々ありがとう』







『ふふ……いーってこと(笑)』







私は、お言葉に甘えて
車窓から見える懐かしい景色を

街並みや
海岸沿いの道を

これまでとは違う…
穏やかな気持ちで

噛み締めるように
ゆっくりと眺めた

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