テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

『・・・zzz』

言うだけ言って…やっぱり寝たフリ

そんな私に







『クス・・・・・こうすると

アイルがいちばん良く寝るから?(笑)』







そう小声で呟いて
リョウキはもう一度キスをくれた




『・・・』




ピク…




寝たフリの呼吸さえ止まりそうな気がした





〃ウソ・・・ばっかり〃




なんて心でぼやいて

私は決して反論せず

頑なに動かなかった






寝たフリが・・・バレちゃうから





ううん・・・



腕を…はなしたくなかったから





『ほら・・・アイル・・・』



『・・・』




いい加減…しがみついたままの私がいたら

リョウキが横になれない



リョウキは…なるべく私を動かさないように

ゆっくり腕をほどいて

そのまま私を腕枕して

抱き寄せてくれた





『クス・・・、・・・♪』



『・・・』




寝たフリの私の頭を撫でながら

そっと…やさしくキスをして

時々、唇を吸い上げるようにくわえたり

またキスをして

何度も・・・何度も





ねぇ…バレてる?




だけど…リョウキは何も言わない




変に思っているのかな…

何か聞こうとしているのかな

それとも何も思っていないのかな





どちらにしても…どちらでもない





リョウキは黙っている事で

そう言っている気がした




眠っている事になってる私に

もうオヤスミとは言わずに








降ってくるのは…やさしいキスだけ









涙・・・でちゃうよ


もうやめて・・・リョウキ






ごめんね・・・リョウキ






罪悪感を感じながら・・・私は



・・・




私は・・・何度も口づけられる

そのあたたかさに

緊張がほぐれるような、そのぬくもりに

やさしいキスに

すっかり安心していた







同じ・・・事をしたとしても



やっぱり




この人は




この人だけは





私の特別なんだ









ウソばっかり?・・・ううん


リョウキの言うことは本当かもしれない






だって私・・・そのやわらかいキスで


そのぬくもりの中で


いつの間にか


ぐっすり眠っていたから

ストーリーメニュー

TOPTOPへ