Best name ~ 追憶 ~
第8章 過去・・・未来・・・そして今
『もしもし…うん、アリサ』
数日後、かかってきた親友からの電話に
私は…少しだけ恐る恐る出た
『うん…うん?・・・ううん、べつに
・・・ ・・・
なんでも・・・ないよ』
私は…再会した親友と
交わしたばかりの約束を
早くも破ろうとしていた
それは…イヤだ
だから・・・
『アリサ、ごめん・・・あのね・・・』
私は…この間の千葉くんとの事を
やんわりと…話せるとこだけ話そう
そう思って切り出した
『ごめん、アイル・・・話、聞いてる』
『え・・・?』
『千葉ちゃんから・・・あたしに
連絡あったの・・・
「アイルにひどいこと言った」って
取り返しつかないことした…って』
『・・・』
私は親友の話を聞きながら
それとなく…事のあらましを話す
『まぁ…千葉ちゃん昔から
ぶさけたヤツだったけどさアイル
けど…ちょっと
悪ふざけがすぎちゃったのかな・・・』
『・・・う・・・ん』
『千葉ちゃんを…庇う訳じゃないけどさ
ん~…何て言おうかな、よくある
〃同窓会シンドローム〃みたいな
そういうのもあったんじゃないかな…
って…あたしは思いたいかも』
『同窓会シンドローム?』
『ラブアゲイン症候群とか言うの?
急な再会でさ…気持ちが盛り上がって
とか・・・そういう』
千葉くんのフォローをそれとなくしながら
親友のアリサは…どことなく
私を気遣って庇ってる
それが、なんとなく
伝わってくるから
私はハッキリ答えた
『アリサ・・・私のこと庇ってる』