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Best name ~ 追憶 ~

第10章 私の家族

そして・・・また月日は流れ





私は・・・双子の赤ちゃんを出産し




二人の子どもの・・・母となりました







**********************







『うぅ…っ・・・ァアァッ…~っ……ぃ"だぃ"』




それこそ理想通りになんていかない

何があるかわからない…とは言え


少し急な破水で

予定日より早く、お産が始まってしまい


私はもちろん

リョウキをはじめ

周りも大慌てのドタバタ劇でした





『アァァッ…!!!ぃっ…いたぃっ…~~』


「はい、大きく息を吸って~
赤ちゃんも頑張ってるよ!?
お母さん頑張って~~!!」



助産師さんの言う通りに
必死に頑張るのだけど

そう思うようになんかいかず
そんな苦しくてたまらない状況の中で




優しい旦那さんは頼もしくて

隣で付き添い、手を握って

励ましてくれて・・・










・・・なんてことは



ありませんでした(苦笑)





それこそ理想と言いますか

よく話に聞いたり

思い描く事とは違ったと言いますか…





「ご主人~!入って大丈夫ですよ~!」



リョウキは立ち会いはしてくれました

立ち会い出産を
希望していたのもありますが

何と言っても急でしたので
促されるまま…と言った感じでしょうか






『ァアァッ…っ…っう…ぁ~~っ…!!いっ』




『・・・』





お産で、のたうち回るような私を前に

リョウキは・・・







ぽかーん・・・





って言うのでしょうか?

慌てに慌てて…のちに呆然




紛れもなく初めて

そして私が見た中で一番の

リョウキの大慌てな姿でした




助産師さんが言うには

「普通だよ(笑)」とのこと




見たこともない戦場のような事が

目の前で起こっている

男の人は成す術もないのだ、と




『アイル…頑張れ・・・頑張って…!』



それでも、そんなリョウキは

時折、声をかけてくれたり

それこそ手を握って汗を拭いてくれたり

お水飲ませてくれたり…なんて

してくれていた・・・みたい





すみません…私あまり

リョウキをみている余裕と

記憶がなかったのです




タイトルは〃追憶〃なのに

なんと言うことでしょう・・・(苦笑)

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