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Best name ~ 追憶 ~

第10章 私の家族

『うふふ・・・小さい…見て?
鼻のあたりリョウキくんそっくりね
口は…アイルかしら?』


『こっちの子は
アイルの生まれた時にそっくりだぞ?』




私の両親は
向かい合って孫を抱いて微笑んでいた







『ふふ・・・アイル?ちょいちょい』


『・・・?』




孫を抱いて微笑む両親を横に
リョウキが私を手招きした





『お義父さん、お義母さん?

あ、申し訳ないんですが

チビたち(笑)少し〃お願い〃出来ますか?

すみません・・・それじゃ…~~』






『え?・・・リョウキ』






『アイル・・・~ほら

売店行かないとって言ってたろ?な?』







『え・・・?・・・私、そんなこと』





『いーから・・・(笑)』





パタン…





私を連れて病室を出るリョウキ






『ねぇ・・・リョウキ?』







『ふふ・・・人は、変わるモンだからな♪』





『???』





『預けとけば・・・帰ろうにも

しばらくは〃帰れない〃だろ?(笑)』







リョウキはニカッと笑ってウィンクして
私にVサインした





『二人して…仕事放ってでも
とんでくるような可愛い〃孫〃だ

孫でも抱いてりゃお互いに
少しは〃素直〃になるんじゃねぇの?(笑)』






『・・・リョウキ』

両親が仕事を放って来た…なんて
確かに初めて見た光景


リョウキならではの
私の両親に対する独特の気遣い

放っておけば
さっさと帰ってしまいそうな両親に

あるいは、私が生まれ育った
〃私の家族〃のための

リョウキの優しさだった
私は・・・そう思います





*****************



『アイルも…こんなに小さかったんだよな』


『ふふ・・・そうね
赤ちゃんて、こんなに重かったかしら?』






『なぁ・・・すぐ仕事に戻るのか?』


『娘が命懸けで出産したのよ?
もっと褒めてあげなくちゃ…
休みを取ったに決まってるでしょ♪』





『折角だし久々に・・・食事でもどうかな』


『・・・。べつに、今日くらい構わないわ』




*******************






新しい命のもつ力は無限大です

私とリョウキの大切な天使たちは

沢山の幸せをもたらしてくれていました

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