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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

けれどそれは
ソウタさんと私、互いの安心の為でもあった。


〃体調が悪かったら、すぐに言うこと〃

〃何かあったらすぐに相談すること〃


それらをソウタさんは私に約束させた。




いつでもすぐにとんで来れる…良い距離。



もっとも
仕事で毎日会うし

職場でもあるそこから
わざわざ遠くはなれる理由もないから

程よい…丁度良い所だった。









引越しやら手続きを手伝ってくれたソウタさんは

更には私にベットやら家具を
用立ててくれると言う。

私はもちろん断ったのだけれど……





『~成人祝いだ…。そんくらい受け取れぇ…
親のカオが立たねェだろ
バカヤロ オマエ~…』



『ソウタさん…。ありがとう…。
だけど…それなら今の家の…ベットとか
そのまま使わせてもらえれば十分…。
もったいないよ』



『バガヤ"ロ"ウ ォマェ~…。ったく~
アレはアレで…置いとけぇ。
あそこぁ……オメェの…〃ウチ〃なんだからよォ
…ったく、バカヤロ……ブツブツ』



照れて、口を悪くするソウタさん。



ソウタさんは
私に…〃実家〃をつくってくれた。



〃いつでも帰ってきて良いよ〃


と…


私の帰る実家を……つくってくれていた。




本当に……嬉しかった。




私は…生まれて初めて、一人暮らしを始めた。


とは言っても、生活は大きく変わらず
ソウタさんにも仕事で毎日会う。

家も近い。


忙しいソウタさんに代わり、時折
家を掃除したり、食事を作ったり…。


必要ない、とソウタさんは言うけど
私がやりたいから、やっていた。

少しでも…私に出来ることは
何でもやりたかったし、何も苦じゃなかった。



そして、また時には…
ちゃっかりソウタさんにお夕飯をご馳走になって
帰ったり(笑)



〃実家〃には、頻繁に出入りしていた。

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