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TIME is MONEY

第5章 scene Ⅴ


胸に与えられる愛撫がもどかしい

だけど “もっと強くして“ なんか言えるわけない

そんな事を口走ったらそれこそただのスキモノになってしまう



「こういうのも、趣きが違っていいでしょ?」

こいつ完全に俺を揶揄ってる

普段は逆のくせに、セックスに関しては当たり前に主導権を雅紀が握っているのが恨めしい


「お…まえが、趣きなんて言葉、知ってるんだ…っ」

だから憎まれ口を叩いて雅紀を煽った

こいつがムカついてくれれば、いつもみたいに快楽だけを貪る事が出来るから


なのに

「残念だけど、今日は変わんないから」
“怒るつもりないし“

なんて、あっさり言われて

俺の思惑をしっかり読まれていた事を知って、ギュッと唇を噛み締めた



胸だけを執拗に弄るくせに、強い刺激は与えない

軽く捏ねる指が漸く摘んだと思っても
それはごく軽いもので

それでも与えられるもどかしい快楽は徐々にに体を蝕んでいく

「まさ、き…っ」
「ああ……、こっちも辛くなってきた?」

「ふあ…っ!バカ…っ」
部屋着のスウェットの上から自身を軽く擦られ

背筋がぞくりと粟立った


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