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TIME is MONEY

第7章 scene Ⅶ


ただ、良いことに使われてないってのは子どもな俺でも分かったから、親から離れるようにしたかった

両親も、もう役目が終わった俺に感心をなくしたし
反抗する俺を持て余して自由にさせてくれた



「…雅紀、あれは…」
「分かってるよ。知っててやってないってのは

俺、かずを責めてる?」

淡々と告げる口振りに、そんなのは全く感じられないから素直に首を横に振った

「でしょ?本当に責めるつもりないから」




「で、かずは俺達の事、どこまで掴んだの?」

もう全てを晒けだす時が来た
自分の知ってる全て、雅紀達の全てを


「俺が関わった、潰した会社の中に “相葉“ って名前があるのは知ってた。珍しい名字だから覚えてた。
……でもそれがお前の身内までは知らなかったしそこは調べてない

…俺が知ったのは、…知りたかったのはお前と翔の事だ」




「あのさ」と言い掛けたその時、玄関のチャイムが鳴った
間違いない。さっき “今から行く“ と言ってた翔が着いたんだろう

立ち上がる俺を止めて、雅紀が玄関に向かった



ついに全員が揃う

狐と狸の化かし合いが、終わりを告げる時が来た


一番上手く騙せたのは



……誰?

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