TIME is MONEY
第7章 scene Ⅶ
また嫌な沈黙が俺達を包み込む
だけど次に口火を切ったのは、雅紀だった
「翔ちゃんも来たし、さっきの続き…話して」
「続き?」
翔が雅紀を見る
「うん、かずの知ってる俺達の事」
ああ、と頷いた翔の目は
「俺も、深くは聞いてないから聞きたい」
何を考えてるか分からない、だけど笑っているような光を称えていた
「翔には、話したけど。
……調べ始めたのは、本当に興味があったから
生田って奴と松本が一緒にいたのを見た時の雅紀の反応が新鮮だったから」
雅紀の表情は変わらない
「お前がしょっちゅう、俺が寝てからパソコンいじってるのも知ってた。最初は、エロ動画でも見てんだろ、…なら揶揄ってやろうくらいの気持ちだったけど…」
ぷは、と翔が吹き出した
雅紀も苦笑いしている
「ロックが掛かってるのを見たら、なんつーか……」
「昔の血が騒いだ、って感じ?」
その通りだ
パソコンには、もう深入りするつもりなんてなかったのに
ロックされてるのを見たら、沸々と妙な気持ちが沸いて来たんだ
「まあ、そういう事だな。解いて見たくなっちゃって」
小さく笑ったら、つられて2人も笑った
それを見たら
どうせ知られてるんだ
なら、緊張する事もないのかも
…なんて思って、気が楽になった