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TIME is MONEY

第7章 scene Ⅶ


雅紀と翔が俺を見つめているけど

緊張が解けてしまえばそれも気にならなくなるから不思議だ

「雅紀はさ、パスワードが単純なんだよ」
「え?」

この先、パスワードを必要とする時に簡単に解かれない参考になれば
そんな気持ちで雅紀を見る

…だってもう、俺には関係なくなるから

「お前、名前の入れ替えばっかなの
それも、毎回入れ替え方が同じなんだよ

2回解いたらすぐ分かった」

雅紀の癖

最初のアルファベットと3つめを入れ替えてから、最後2文字を逆にする
その間に数字を入れてるけど名前の五十音の通り

つまり

“MASAKI“ なら “SM1AA1IK2“

こんなのはちょっと書き出せば簡単に掴める

「ほぁ~!すごい、にの」
翔が感嘆の声を上げた

「これ以上のパスワードを何度も解いたからね」

この程度が解けなければ “天才“ なんて言われてない
パスワードは取っ掛かりが重要なんだ

まあ、大抵の奴は自身に関係あるものにする傾向があるってのも大きいけど

「ねぇ、かず」
黙っていた雅紀が口を開いた

「最後のパスワードさ…」
「ああ、素直に俺の名前にしてた奴ね」

「…あれが、俺からの合図って分かってた?」

…何となく、そうかもとは思ってた


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