TIME is MONEY
第7章 scene Ⅶ
マジか
頭良くても、そこって基本じゃないの?
金銭管理って大事じゃねぇの?
パソコンなんかより重要だと思うんだけど…
「マジで…?」
「冗談でも何でもなくマジ」
えーと…
何て言えばいいんだろ
こういうタイプは初めてづくしでマジ難しい
「翔ちゃん、とりあえずそれは置いといてよ。話が進まない」
唖然とした俺に苦笑しながら雅紀が翔を止めた
「えっと、かず…話戻すよ?」
「え、あ…うん」
苦笑から真顔に戻って、ひとつ息を吐くと
「率直に言う。俺は二宮不動産を潰すつもり」
雅紀は俺をじっと見つめてそう静かに言った
「…そうなんだ」
「あれ、やけにあっさりしてるね」
驚かない俺に、雅紀の方が驚いてる
「いいんじゃない?
かなり悪どいやり方してるし。…俺は継ぐ気もなければあいつを親とも思ってない」
“好きにしろよ“
そう言った俺には何の迷いもなかった
むしろ潰してくれた方がスッキリする
知らずに手を貸していた、嫌な過去は忘れてしまいたいんだ
「良かった」
「え?」
「それなら遠慮なく言える」
雅紀が少しだけ目を細めた
「かず、俺と一緒にならない?」