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TIME is MONEY

第7章 scene Ⅶ


「当たってるけど当たってない」
「…は?」

今の笑みは、正解を意味したんじゃなかったのか


のんびりとコーヒーを口にしてから、雅紀がゆっくりと俺に視線を移した

「俺は、じーちゃんの会社を作る訳じゃない」

「違うのか」

「…潰されたのは、じーちゃんの力不足。俺は同じ道は辿りたくないからね」


また、だ……
雅紀の目の光が変わった

「別に俺は敵討ちとかそんなのに興味はないよ」

ここまで来て、漸く見えてきた気がする


これが雅紀だ
本当の “相葉雅紀“ なんだ


抜けてるようなのも、バカに見えたのも
自分を隠す為の1つの手段でしかない

まんまと引っ掛かっていたのは俺の方だった


「会社を作ろうとしたのは分かったんだよね」

雅紀の問いかけに素直に頷く

ロックしてあったPDFファイルに色々な書類が保存されてた

「翔ちゃんはビジネスパートナーだよ
俺の苦手分野を引き受けて貰ってる」

“俺、金銭管理だけはどうしても鈍くてさ“

「え…」

「お金貰い損ねたり、お菓子で引き受けたのはわざとじゃないんだよ、こいつ」

それまで黙っていた翔が、呆れたように口を挟んだ

「頭は悪くないのに、マジで金銭管理はダメダメなの。天は二物を与えない、の典型的タイプ」

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