TIME is MONEY
第8章 scene Ⅷ
「お前がどう思ってるのか知らないけど、俺を信用出来んの?」
はっきり言って、俺が雅紀の立場なら
絶対信用しない
だってパスワードを簡単に解除出来て
…やろうと思えばウイルスを送り込む事だって出来る
そんなヤバい奴と仕事したいと思えるか?
そりゃ雅紀も、相当パソコンには強いみたいだからそう思えるのかも知れないけど
「んー、それ言われると答えに困るんだけどさ
…なんつーか、かずは信用出来るんだよねぇ」
何だろう
信用出来るって言われて、俺ってば何処か喜んでる
“必要とされる“ と言われたら間違いなくこの話は白紙にしてたし、聞かなかった事にしてた
だけどまだ、頷く事は出来ない
だって
雅紀の本心はやっぱりまだ見えないし
一緒にいる翔だって、何考えてるか今一つ掴めない
良いように利用されるのは絶対に後免だ
ってか、人に “使われる“ のが嫌いなせいもある
同等の立場ならまだしも
誰かの “下“ で働くのは、もう嫌だってのも大きい
フリーターの時は一体何だったのかと考えてみたら
結局の処、金を得る為だけであってそれ以外はどうでも良かったんだ
過ぎていく時間の大切さなんて、これっぽっちも感じてなかった