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TIME is MONEY

第8章 scene Ⅷ


それが何を意味するかまでは分からないけど、こいつの事だ

どうせ “馬鹿にすんな“ 位の程度だろう

だって今の雅紀の瞳に、あの危険な光は見当たらない
今は素の……いや、どれが本来かは分からないけど
とりあえず天然馬鹿の雅紀がそこにいる


「かず、俺を馬鹿にした?」

「ふは、分かってた」

俺より先に、翔が笑った

「そりゃ分かるよ」

剥れたような顔に、俺も吹き出してしまう

「ぷふ…、それより続き…っ」

どうにか唇を噛みしめ、変に歪んだそれを隠すように手で覆った


「ああ、…悪い。で、表と裏な」

「だからそれが?」




「かずはどっちがいい?」




は?

何それ

俺に選べって?

雅紀の一言に、呆気に取られてしまった

表だろうが裏だろうが、俺はまだ何も返事なんてしてないから

一緒にやるなんか、答えてないから



「何言ってんの?俺は「どっちがいい?」」

なんだよ

いきなり目の光変えてんなよ


さっきまでの馬鹿は消え失せ、射抜くかのような鋭い眼差し

……だから、何なんだよ!



「悪いんだけどさ」

雅紀の口角が上がる



「かずにはこれ以外の選択肢はないから」

意味が分からない

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