TIME is MONEY
第9章 scene Ⅸ
胸だけの愛撫に、何も触れていない下半身に熱が込もっていく
両腿を擦り合わせてその熱を逃そうと試みるけど、組み敷かれてぴったりと重なる雅紀にはすぐにバレてしまった
「ふ…、く…っ」
「…もう、濡れてる」
“もう、待てない?“
揶揄うように耳許で囁かれ、恥ずかしさにカッと顔が熱くなる
だけどごまかしなんてこいつには効かない
隠したって、身体が疼いて仕方ないし
このままにされるのもとてもじゃないけど、耐えられそうにない
「見りゃ…分かんだろ…っ」
生理的に浮かぶ涙をそのままに雅紀を睨み付け
「…お前だって、…そうだろ」
視線は雅紀から外さないで、右手で雅紀のそこを軽く握った
雅紀だって、しっかり勃ってんじゃねえか
「かず…、そんな誘い方どこで覚えたの」
一瞬息を飲んだ雅紀が、面白そうに笑う
胸から離れた手が頬を撫で、汗に濡れた髪を後ろに撫で付けた
「…っ」
雅紀の足が動いて、わざと自身に触れる
「お前、触ったらすぐイッちゃうじゃん。…後々キツくなるの、かずだけど?」
“1回じゃ、済ませないし“
耳を噛まれ、思わず雅紀の背中にしがみついた俺は
その言葉に何も返せなくなってしまった