TIME is MONEY
第10章 scene Final
「子どもの依頼を断るなっつったのはお前だろ」
足を組んで、のんびりとコーヒーを啜る俺を
恨めしそうに雅紀が見る
「…そうだけど、さぁ…」
「いいじゃん。潤と手分けでもしろよ」
「いや、あいつとっくに逃げたし」
「はぁ?」
潤、……松本は、暫くは面白いからと雅紀の仕事を一緒に始めていた
だけど、次々に入る依頼のくだらない内容に嫌気が差したらしい
「根性なし……」
「かずの引き受け方だと思うけど」
雅紀が苦笑している
「あいつね、また生田んとこにいるよ」
“ま、しょうがないよね“
なんて言いながらも、雅紀はあまり気にしてないみたいだ
「1人の方が楽だわ」
「せいぜい頑張れ」
「…少しはセーブして」
「さあね」
俺らの関係は、あのまま変わらない
多少、距離が近くなったとは思うけど
それは四六時中一緒にいるからで、特別にどうこうと言う事もない
ただ、変わったと言うなら
……セックスがやたらと甘くなった事