TIME is MONEY
第1章 scene Ⅰ
「な…っならない!なるわけない!」
「そう?…結構ソノ気に見えたけど?」
ですよね
…変な声出しちゃったし
だけどここで、誰が “はい、そうです“ なんか言えるかっつーの
そもそもさ、雅紀も俺も…
「…俺、男なんだけど」
「そんなの、見りゃ分かるから」
じゃあ何でキスすんだよ
「雅紀ってゲイ?」
そしたらかなり貞操の危機ってやつじゃね?
「んー…それは違う。女の子好きだし」
「だったら…っ」
「俺はね、可愛いならどっちでもいけんの」
「……は?」
可愛い?
誰が?
雅紀って頭も悪いけど目も悪い?
「かずの顔、俺からしたらストライク」
雅紀が爽やかに笑う
さっきまでの鋭い瞳が嘘みたいだ
「いやいやいや、ちょっと待て!」
「なに」
「なにじゃなくて!」
「いいじゃん、抱かれてみなよ
…お前、素質ありそうだし」
椅子から、無理矢理立たされた
腰をしっかり抑えられていて、身動きが取れない
…ってか、まだ体の力が戻らない
「素質って…なんだよ…」
何かもう、未知の事すぎて頭がパニックになってる
「絶対ハマると思うよ」
そう言うと、いとも簡単に俺を肩に担ぎ上げた