TIME is MONEY
第1章 scene Ⅰ
雅紀の顔が近付いてくる
また、キスされてしまうのかと首を横に背けたら
「…っ!?」
顔を引き戻される事もなく、雅紀は晒された俺の首筋に顔を埋めていた
筋の上を唇が辿る
熱い吐息が掛かる度に、何とも言えない感覚が沸き上がった
そういえば
女の子のそこにキスした時、あの娘 “気持ちいい“ って言ってたっけ
……じゃあ何か
俺は、今 “キモチイイ“ って感覚なのか?
時々小さな痛みが走って、吸われてるって気が付いたけど
抑えられていてどうする事も出来ない
「あ…ひゃ…っ」
唇が動いたと思ったら、いきなり耳朶を甘噛みされて
自分でもびっくりするような高い声が出てしまった
「…感じてんだ」
耳の中に息を吹き掛けるように雅紀が笑う
「ちが…っ」
必死に冷静を装って、“そんなわけないだろ“ って否定してみるけど
揶揄うように耳を弄る唇に息が上がってしまうのを止められない
「あ、そうなんだ」
ー…なら感じるまでいじくってやるよ
聞いた事のない、低く掠れた声で雅紀が囁いて
俺の体が大きく震えた