TIME is MONEY
第2章 scene Ⅱ
「…おいこら」
ベシッと雅紀の頭を雑誌で叩く
「いってぇな!…なんだよいつもいつも!
…頭悪くなっちゃうだろっ」
「まだ悪くなる余地あんのかよ」
「ひどい、かず」
「また、貰い損なったんだって?」
叩いた原因を作ったのはこいつだ
俺だって何もやたらめったら叩いたりはしてない
「え、何で知ってんの」
「…朝、翔から電話来た」
何故か俺が朝っぱらから怒られた
『お前がもっとしっかり管理しろ!』って
何で俺が怒られなきゃいけないんだよ
依頼を引き受けたのも、それを遂行したのも
俺じゃなくて雅紀だ
ついでに言えば金を貰わずに帰ってきたのもこいつだ
「翔ちゃんかぁ…バレるの早っ」
「そう言う問題じゃねぇだろうが」
昨日、雅紀が帰ってきたのは
俺が寝た後だった
“遅くなりそうだから先に寝てて“ って言ってたから
俺は当然待つ事なく、さっさと布団に潜り込んだ
深夜に、帰ってきたのは何となく気付いたけど
別に声なんて掛ける必要ないし
勝手に寝て勝手に起きる
単なる “同居“ なんだから