TIME is MONEY
第2章 scene Ⅱ
頭がクラクラする
行動範囲のキャパを越えた俺の頭は、酒の酔いといきなりの口移しで何も考えられない
強い酒と、口を塞がれた苦しさで潤んでしまった目を擦って
未だ定まらない思考でボーッと翔の顔を見上げると
「やっべ…こいつそそる」
何だか聞いちゃいけなかったような言葉が耳に届いた
「…ヤッちゃう?」
多分これは潤の声
「凄いドキドキしたんだけど」
…こっちは大野さん?
ん?
待てよ?
何だかヤバくないか?この会話
だけど
体が怠くて動けない
何だよ俺、こんなんばっか…
勘弁してくれよマジで(泣)
「翔ちゃんダメ!」
少し離れたとこから、雅紀が少し強い口調で言ったのが聞こえた
「幾ら翔ちゃんでもかずはダメ」
初めて雅紀が救世主に見えた
いや、こいつも充分危険人物だけど
今は遥かにこいつのがマシ
「…ばーか、冗談だよ」
翔が笑いながら、…だけど背中をやわやわと撫でていて
…まだ危機を脱してない事は分かる
「雅紀、助けろ」
俺は仕方なく、雅紀に助けを求めた