TIME is MONEY
第2章 scene Ⅱ
「帰ったよ。大ちゃんに怒られたから」
クスクス笑う雅紀に首を傾げた
「なに、翔何かやらかしたの?」
大野さんって、あんなんだけど翔より強いのか?
「かずに口移ししたから」
「は?」
「…そう言う事」
雅紀はそれ以上何も言わず
だけど、目だけは面白そうに細められている
俺も、踏み込むのはヤバい気がして
黙って残りの水を飲み干した
「かず?」
「なんだよ」
「口直し、しない?」
「は?何言っ……!?」
急に雅紀が立ち上がったら、俺の顎を抑え込んで
顔が近付いたと思った途端
……また、唇を塞がれていた
驚きで動けない俺を嘲笑うかのように唇を啄む雅紀
自分に何が起きてるのかを把握するまで軽く10秒
その間、雅紀に良いように弄れた俺は
唇が離れてからも思考が追い付かなくて
「口直し完了」
ペロッと最後に舐められてようやく、我に戻る事ができた
「な…っなん…」
「かず、隙ありすぎ」
雅紀が笑って軽くデコピンする
「いつもは強気なのに、こういう事には本当隙だらけ」
「…ふざけんな」
「なら、ヤられないようにしなよ」
そう言った雅紀の目は、少し鋭くなっていた