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TIME is MONEY

第3章 scene Ⅲ


「ああ、そっちはね…とっくに解決済み」

「……へ?」

何か今、物凄くさらっと重要な事言わなかった?

カイケツ…解決

って事は俺、もうこいつらと無関係に戻れるって事じゃないの?

「あ、翔ちゃん!」
雅紀が慌ててる

……間違いない
俺はもう、こいつらに付き合う必要はないって事だ


「車止めて」
静かに翔に告げた

そうと分かれば、今すぐにでも自分のアパートに帰る

雅紀んちに置いてある数少ない私物は、惜しいけど捨てていい


嫌がるかと思ったらあっさりと路肩に車を止めてくれて

なかなか物分かりは悪くねぇな、とレバーに手を掛けた瞬間


「どこに行くの?」
翔がニコニコと俺の肩に手を置いた

「は?うちに帰るに決まってんだろ
…俺はもう、お前らに付き合う必要ないんだから」

何ほざいてんだよ、とレバーを引こうとして


「お前のアパートはとっくに解約したよ」

ピタリ、と俺の手が止まった


振り向くと、相変わらずニコニコ嫌な微笑を浮かべた翔がいて

雅紀はさりげなく俺の腰に手を回してきた


「…何だって?」
今、何て言った?
信じられない事、言われた気がするんだけど

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