TIME is MONEY
第3章 scene Ⅲ
目が覚めたのは
もうすっかり慣れたベッドの上
見慣れた天井に見慣れた部屋
今までのは全部夢だった、…と思いたくても
自分が寝かされた場所を見ればそんな事はあるはずもなく
…さすがに俺も自分のキャパを超えすぎて
強気な態度に出る気力もない
これから俺はどうしたらいい?
このまま、雅紀達と一緒にいるしか選択肢がないんだろうか
こんな訳分かんない
…何一つろくに教えてもくれない奴らと?
それに “自由“ すらまともにないこの状況が、いつまで続くかも見えてないのに
散々気ままに生きてきた俺が耐えられるのか
「どうしたらいいんだよ……」
ベッドの上で、誰に言うわけでなくただ口にしたら
…何だか鼻の奥がツンとしてきて
じわじわと色んなものがこみ上げてきてしまった
ー…情けねぇ
知らず溜まってくる涙が余計にそう思わせる
でも泣きたくなんかない
泣いたら男が廃るってもんだ
袖で涙を無理矢理拭って
ベッドサイドにあるティッシュで思い切り鼻をかむ
うじうじしてても始まらない
適当に暮らすのと、相手の思うままに流されるのは意味が違う
もしもここで暮らすしか選択肢がないのなら
俺は俺のやり方を作ってやる