TIME is MONEY
第3章 scene Ⅲ
「あ、目ぇ覚めた?」
雅紀が顔を覗かせた
その顔は安堵の表情が浮かんでいる
「ああ…うん」
ここに寝てたって事は、車から運んでくれたのは分かってるけど
それについては敢えてスルーした
「なぁ、雅紀」
「なに?」
「…話があるんだけど」
またはぐらかされるかも知れないけど、今度は俺も冷静になって話をしたかった
「だよね」
意外な事に、雅紀がすんなりと頷いた
…どこまで核心に迫れるかは分からないけど
何か一つでも、今は分かればいい
時間は腐る程あるんだ
少しでも自分が有利になれる術を捜してやる
「…あっちで話す?」
雅紀が示したのはキッチン前のテーブル
椅子に座ってゆっくり話そうと言うつもりらしい
「どこでもいいよ」
俺は話せるならどこだって構わない
だから雅紀に促されるまま、キッチンの方に向かう事にした
「喉乾いてない?」
雅紀が座るより先に訊ねる
「いい、いらない」
それを断って、とにかく座ってくれと雅紀をじっと見れば
雅紀も分かってくれたのか、俺の前に腰を降ろした