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TIME is MONEY

第1章 scene Ⅰ


「んーん、帰せないんだなぁこれが」

座ったままニコニコと笑う “翔“



…今、何て言った?

「は?」

「とりあえず、座って?」

笑っているけど、何故か逆らったらいけないような雰囲気

“雅紀“ は何も言わず黙って俺を見つめている


「座って?」

繰り返される言葉

ちら、と “雅紀“ を見ると「とにかく座って!」と目で訴えている


「なんなんだよ…」
断れなかった自分にイライラした

怖い、なんて思ってしまった事を悟られたくなくて

わざと乱暴に腰を降ろしてそれをごまかした



「で?…帰せないってどういう事だよ」

“雅紀“ が出してくれた缶コーヒーを開けてグイッと飲む



「俺達に、…てか雅紀に、協力してくれない?」

「は?何言って…」

「今回の、ちゃんとケリつけないとヤバいんだよ」

「だから俺は無関係…」

そう、全くの無関係
そもそも“協力“ と“帰せない“ って意味違うし


「君の顔、相手に知られたよ?」

「は?」

「間違いなく、仲間だと思われるだろうね」

ちょっとマジで待て
いつどこでどうしたら、そうなっちゃうんだよ







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