TIME is MONEY
第5章 scene Ⅴ
翔は勘がいい
雅紀は変なとこ鋭い
翔が俺と同じ頭脳派なら、雅紀は本能で動く肉体派
だから、翔の方が割と何を考えてるか
どう動くかは掴みやすい部分がある
だけど雅紀に関しては
一緒に暮らし初めて
行動を常に共にしても
まだ、正直掴めずにいる
そして最近は
雅紀に内緒で翔と連絡を取る事が増えた
何故かって?
そりゃ、俺がそう仕向けたんだし
翔にとっても必要だから
「まーったく、にのには参るよ」
翔が、ふんぞり返るように椅子の背もたれに寄りかかった
「策士だと言ってくれ」
それを横目に、俺はのんびりとコーヒーを啜る
雅紀は今、依頼された仕事に出掛けていて
帰ってくるのは早くても5時間後
「何がきっかけなんだよ」
「ん?…んー…」
最初は確かに、“偶然“ から全て始まった
俺がちんたら歩いていて、“追われてた“ 雅紀が俺を巻き込んで翔の車に押し込めた
でもって言いくるめられて雅紀との同居が始まった
……ってのはもう、分かりきってる事
そして、一緒にいるにも関わらず何も教えて貰ってない事に俺がキレて
ー…雅紀が牙を剥いた