テキストサイズ

TIME is MONEY

第5章 scene Ⅴ



だから

「…俺、帰るとこあったっけ?」
わざとそう聞き返してやった

「あ…」
思い当たりありすぎの翔が苦笑する

だけどすぐに

「けどさ、お前なら適当に何とかすんじゃねぇの?」

あっさりと切り返される

「…まあね」

さすが翔だよ
そこもしっかり分かってる

「じゃあ、何で?」
いかにも興味津々な顔で俺を覗き込むから


「…色々考えたんだよ」
本当の事は敢えて言わずに、はぐらかした


「ふーん」
多分翔は、俺に理由があるのなんて分かってる

だけど敢えて聞かないのは

…勘づいてるんだと思う

俺が尚もここに留まる理由に




理由は2つある


1つは、こいつらの正体を知ってから俄然2人に興味を持った事

そしてこないだ仕掛けてきた生田との関わりも見えてきた今、もっとそれを知りたくなったんだ


こいつらといたら、退屈なんてなさそうだ

それに
…上手くいけば得意分野としている部分の自分の力も試せる気がしたんだ

どこまで通用するか、試したい

そして、通用しなかったら
するまでとことんやってみたいんだ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ