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TIME is MONEY

第5章 scene Ⅴ



「…これなら引っ張れるか」

パソコンの画面を見ながらマウスを細かく動かし、必要な情報を追う事に意識が集中する

夢中になって引き出した情報をチェックしていたから、外が暗くなってるのも気付かなかった

意識が他に移ったのは、鍵を開けるガチャガチャと言う音で我に返った

ヤバい!
…急いで開いていたページからあらかじめ万一に備えてデスクトップに貼り付けて置いた大手ネットショップに切り替える


玄関からは「ただいまー…」と少し疲れたような雅紀の声

「おつかれ」
雅紀が受け取った謝礼金を貰おうと俺も玄関に向かえば

「ほんっと、疲れた…!」
眉を下げて、大きなため息と同時にカバンを投げる

その投げ出した小さなカバンを拾い上げ、さっさと中にあるはずの封筒を探し始めた

「お出迎えって新婚さんみたい」
へにゃっと笑った雅紀がふざけたように言う

「ばーか、何ほざいてんだか」
「だよねぇ…」

チラリと一瞥してから封筒を取り出し、中身をチェックしていたら

「わ…っ」

いきなり後ろから強く抱き締められた



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