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MITO

第4章 初勤務

 水戸さんは、両手を上して、丸を出した。


「お日さん」


 水戸さんは、違う違うと手を振る。


「あ、○か×かって意味だな」


 ○を出した。


「わかった。まず、火曜だな」


 次に水戸さんは、両手を腰に小さく前になれ状態で手のひらを回して、走り出した。


「トーマス?」


 ×だった。


「SL? 汽車? 機関車?」


 水戸さんは、指を3本出して、目を差し示す。


「3本……目? あ、3番目、三つ目か……機関車?」


 ○を出した。


「おお、正解か」


 水戸さんは、カレンダーの火曜を差して、機関車を真似た。


「火曜、機関車? 火曜機関車……かようきかんしゃ……ん? かよう……きかん。あ、通う期間てか?」


 水戸さんは○を出して、ピョンピョンと跳ねた。


「正解まで、ながかったなぁ……あぁ、1日だけだ。今まで専属でいた家政婦さんが、その日だけ、都合が悪いらしく、来れないんだって。その代理として、水戸さんに行ってもらおうってことだ」


 水戸さんは出掛けていった。


「だから、待てぇーーっ!!」



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