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MITO

第4章 初勤務

「で、水戸さんのデビューを飾るお宅と言うのが、根地産業の社長宅だ。むちゃくちゃでかいぞ、豪邸だぞ」


 水戸さんは出掛けた。


「待て待て待て待て待て待てぇーーっ!!」


 デヴィッドが、あわてて呼び止める。


「ちょ、まだ早いっ!! 今、出ても行き方わからないだろっ!!」


『も゙』


「なんて言ってるか、わからないよ。とにかく、ここに書いてあるから。交通費は、行きはとりあえず実費で、後々、向こうに往復の交通費も請求に入ってるから、ちゃんともらってきてね」


『ち゚ょろ^』


「は? なんだ? 質問か?」


 水戸さんの弱点は、言葉が通じないこと。


 水戸さんはカレンダーを指差した。


「カレンダー?」


 水戸さんは、両手でバツを組む。


「違う? なんだ?」


 水戸さんが指差している部分を、よくみる。


「あ、火曜日か」


 水戸さんは、下を指差して取り除く仕草を見せる。


「床を捨てる?」


 再びバツ。


 水戸さんは、カレンダーの火曜日をさして「日」を指で隠す。


「火曜……かようか」



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