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MITO

第4章 初勤務

 そこには、リムジンが止まっていた。


 スーツ姿でサングラスをした男が、ドアを開ける。


「お待たせいたしました。こちらにお乗りください」


 水戸さんは、ひょいひょいと乗り込んだ。


 窓から見える風景は、とても庭とは思えなかった。


 枯山水も本物の滝のようだった。


「こちらは自然のままの滝と小川を、枯山水の一部として使用しております。したがって、天然の滝と緑がご覧になれます」


『サ゚ン゙プル゚(本物て、すごい)』


「え?」


 そうなるわな。


 よく見ると、熊がいる。


「あれは飼っております」


 さらに、先に行くと右側には柵が見える。


 キリンや、シマウマ、バッファローなどが、優雅に戯れていた。


「飼っております」


『ち゚ん゙こ^(ダイナミック)』


 まるで、動物園、いや、サファリパークだった。


 車を走らせて30分ほど、ようやく建物が見えてきた。


 豪邸という言葉をはるかにこえていた。


 そもそも、車で30分近くかかる庭も、庭とは言えない。超越した規模に、水戸さんは、失神寸前だった。


(掃除、無理かも……)



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