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MITO

第4章 初勤務

 夕食の準備。


 なにか買い出しに行くのかどうかを「貝」と「出汁」のジェスチャーを入れ、16分かけて聞き出した結果、主の馬場は「いえ、裏山に罠を仕掛けてます。鹿が獲れていたら、鹿を食べましょう」と、家政婦の仕事から、はるかに離れた用事を言付けられた。


『カ゚メ~五'郎゚(奥様、私が鹿をつかまえるんですか?)』


「とりあえずお願いするわね」


 主の馬場は、焚き火をしながら、その周りを、槍を手にしながら、回り踊った。そして、その槍を水戸さんに渡した。


 気が付けば、あの氷辻も腰みのをつけている。


「あ、水戸さん。一緒に踊りませんか?」


 おそらく、おことわりだと言うはずだ。


『ま゚』


 踊るんかい。


 三人が焚き火の周りを、踊りながら回る。


 なにかの儀式なのだろうか?


 やがてジェイさんが、牛の頭と、肉の塊を持ってきた。


「ファンタズム(本日の捧げ物です)」


 あきらかに、餌用に解体された牛の余りだ。


 水戸さんは、たまらずこの場を離れようと、鹿がいるという裏山に向かった。


『奈~良゙県"(鹿なんているのかなぁ?)』


 ここは、絶対に普通の裏山ではないと、雰囲気で悟った。


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