君を好きにならない
第5章 若いな、お前
「だから0時過ぎた頃から
いっぱいメッセージが・・」
「なんだ、誕生日だったのか?!
早く言えよお前!」
「あ~・・なんか照れくさくて・・」
そう言いながら真琴は身体を起こし
布団の上に胡坐をかきながら
話をつづけた
「20歳の誕生日なんですけど
僕・・近くに知り合いとかも居ないし
アパートに一人ってゆーの
寂しいな~とか思ってて(苦笑)
そしたらココに泊まれるようになって
せめて誕生日までは居たいな・・
とか思ったりして」
と、照れて笑いながら
真琴は少しうつむいて
顔を隠した
「照れることねーよ。
なんか・・ちょっと分かるしな
お前の気持ち」
「え?」
「数年前の誕生日は
ダチと一緒だったりしたのに
最近は仕事してたら
誕生日終わってたりしてな(苦笑)
まぁ忘れてるくらいならいいけど
たまたま仕事が休みで
な~んも予定なくてな
誕生日だってこと思い出した時には
なんかちょっと凹んだりすんだよ。
こんな年になってもな(笑)」
そう言いながら
俺の脳裏には
アイツと過ごした誕生日が
浮かんでいた
「え、でも向井さん彼女とか・・」
「いねーよ。
俺は毎日ココに帰って来てんだろーが」
「でもすっごく遅い日もあるから
そーゆー時はその・・・
だから僕が居るの
もしかして迷惑なんじゃないかって・・」