君を好きにならない
第5章 若いな、お前
それから
遅い朝飯を食って
真琴の仕事をチェックした
すると
パソコンの字列の中に
ぽっかりと穴の開いた箇所を見つけた
今日のノルマは
この部分らしい
「・・すみません・・
なかなか書けなくて・・
向井さん今週忙しかったから・・」
そこは
俺が気にしている
進展した濡れ場の部分だった
どうやら
濡れ場の手伝いをして欲しかったが
俺が忙しくて
頼めないままだったみたいだ
「いや、付き合ってやれなくて
悪かったな。
ここの想定は・・・」
「先輩の部屋で
二人で飲んで酔っ払って
酔った先輩が
ちょっと絡んじゃうんだけど
不思議と後輩が抵抗しないってとこです」
「あ~・・」
・・絡むって・・・
どのくらいなんだ?
「まずは僕が後輩でもいいですか?」
え、まずはって
今日もどっちもやんのか?
すげー嬉しいけど
「かまわねーけど?」
「じゃあ・・う~んと・・」
いつもスラスラと
俺に指示を出す真琴が
ちょっと考え込み
そして
悪戯な顔で俺を見た
「なんだよ」
「向井さんにお任せします」
「は?」
「なんだか思いつかないってゆーか
経験不足ってゆーか・・
だから豊富な向井さんに
ちょっとお任せして・・・
と、とりあえず
部屋で並んで座って
飲んでるとこからで!
お願いします!」