君を好きにならない
第7章 攻められました
それから
数日
俺と真琴は
特に変わりない生活を
送っている
たまに
一緒に酒を飲み
俺の時間があるときは
相変わらず
「ごっこ」もやっている
濃厚なものはないが
ある程度のスキンシップは
続いている状態
まだ
真琴から
アパートに帰ると
言われてはいない
俺は
毎日
その言葉に
怯えながら
生活していた
そんなある日
真琴は突然
こんなことを
言いだした
「向井さん
来週、ちょっと
出かけていいですか?」
「そんなのお前の自由だろ。
かまわねーけど
どうしたんだ?」
「なんか…
高校ん時の友達が
東京出て来るから
集まろうってことになって」
「そうか。
たまにはいいんじゃないか?
その方が
いい仕事につながりそうだしな」
「よかった。
じゃ、来週2、3日
僕、アパートに帰りますね」
「え?」
「みんな
僕のアパートに
泊まるって言うから」
みんな
…泊まる?
みんなで…か…
「そ、そうか
わかった。
てかお前んとこ
布団もねーじゃねーか」
「そうなんですけどね(笑)
みんなそれでもいいって言うんで。
雑魚寝します」
……雑魚寝
俺の胸の中は
かなりモヤモヤしていたが
反対する理由も無ければ
文句を言う資格もない
「仕事はちゃんとやってから行けよ」
そう言うのが
精一杯だった