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君を好きにならない

第7章 攻められました


「仕事は?」


「終わりました」


「そうか。
飯は
ちゃんと食ったか?」


「あーはい」


「少し飲むか?
付き合えよ」


「はい!」


今日は
話を聞いてもらうまで
離れないし
寝かさない!


真琴の頭の中は
そんなとこだろう


飲まないと
聞いてられねぇから
俺は真琴を誘って
バーで飲み足りなかった酒を
飲むことにした


俺はロックグラスにジンを入れ
真琴には缶ビールを渡し
二人でソファに腰掛けると
真琴は妙に
背筋を伸ばして
緊張していた


「(笑)なんだよそれ」


「え?」


「まぁ飲めよ。
ちょっとは気楽になるだろ?」


「…向井さん…」


「話したいことがあるなら
聞いてやるから
心配すんな」


と、心にもないことを
言ってしまう

ほんとに
逃げ出したいのは
俺なのに


「…ありがとうございます」


「……」


なんだか
返事がでてこない


この瞬間から
逃げ出したい

俺と


逃げ出さず
何かを伝えようとしてる
真琴


隣の真琴から
緊張感が伝わると

俺は

なんだか自分が
アホみたいに
思えてきた


何をやってんだ俺は…


こんな若い奴が
なんか必死になってて

話聞いて欲しいって言ってんのに
ほったらかして

もしかしたら
友達と何かあったことで

悩んで

それを

俺に相談したかったのかも
知れねーのに…

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