君を好きにならない
第8章 真実
「はい。
できれば
筋肉の動きみたいなの
ちょっと描写に入れたくて
観察したいと思ってたんです。
やられる方の」
や…やられる方…
俺が
このままの状態で
やられる?
「そうか。
じゃあ・・どうすればいいんだ?」
「とりあえず
向井さんはソファーにもたれかかって
足、開いてもらえますか?」
な、なんだなんだ
もうすっごい積極的じゃないか
「・・こうか?」
「あー・・もっと
腰を前にずらして・・」
「・・こうか?」
「あ、そうですそうです。
それで僕が・・よいしょっと」
「・・・!!!」
ソファに寝そべるようにして
背もたれに頭を預け
真琴が言うように足を開くと
真琴は
俺の開いた足の間に
膝立ちになって
腰を近づけた
「あ、ちょうどいい」
「・・え?」
「高さばっちり」
そう言いながら
真琴は
視線をお互いの股間に落とした
股間が触れ合ってはないが
握りこぶし一つ分くらい
離れてるだけの距離
な、なにが始まるんだ?
「ま、真琴?」
「・・・」
真琴はもう
頭が小説の世界に行ってるみたいで
返事がない
こーゆー時
真琴は
現実に見えてるものと
頭の中の妄想を
行ったり来たりしているらしいんだが・・
「・・っ・・」
真琴は
無言のまま手を伸ばし
俺の腹に触れると
またジリジリと近づき始めた
お前
何を考えてんだよ!