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君を好きにならない

第8章 真実



「はぁ……はぁ……」


真琴は
ソファにもたれかかったまま
放心状態で
天井を
見つめていたけど

天井をみているのか

まだ
妄想の世界にいるのか


俺には
分からなかった


何も喋らない真琴を放置して
俺は冷蔵庫からビールを取り出し
流しにもたれかかったまま
喉を鳴らして
ビールを流し込んでいると


真琴は

ブランケットを
手で抑えたまま
ふと
立ち上がり


風呂場へと消えた



話しかけたくても

話しかけられない






あいつの
脳の邪魔を
しちゃいけないんだ


だけどさ


俺は今

やって終わったら
すぐ寝てしまう男に
文句言うような


女の気分だった




気持ちよかったです


とか


恥ずかしいです


とか


向井さん
ゲイですか?


とか



もう
とにかく
なんでもいいから
言ってくれっつーの!


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