君を好きにならない
第9章 別れ
『一生』
それは
友情という感情であって
愛情ではない
そんなことは
当然わかってた
けど
嬉しかったんだ
高校の頃から
ずっと好きだった省吾から
そんな言葉を
聞けたことが
心底
嬉しかった
一緒に暮らすようになって
省吾に女ができるたびに
嫉妬したし
俺じゃない男と
飲みに行くことも…
嫉妬していた
だから
その言葉が
嬉しかったんだ
嬉しくて
たまらなくて
飲み過ぎたんだと
思う
いや
こんなに
鮮明に覚えてるんだ
酔ってなかったのかもしれない
省吾と一緒に生活することが
望みなはずなのに
ただ一緒に暮らすというスタイルが
辛くなってたのかもしれない
限界だったのかな
もしかしたら