君を好きにならない
第1章 へぇ〜 平塚真琴さんって 真琴くんだったんだ〜
「へぇ〜
平塚真琴さんってさ
真琴くんだったんだ〜」
新たに担当することになった
平塚真琴のアパートの
玄関から顔を出した「真琴」は
俺が担当したことのない
男のBL作家だった
いや
俺からすりゃ
男の子…だけどな
「あ、はい
あの名前が真琴なので
よく女と間違えられるんです
あ、どうぞ
狭いですけど…」
担当になって
初めての顔合わせでやって来た
平塚真琴の部屋なんだが
はぁ〜ん
なるほどね
そーゆことだったのか
部屋で打ち合わせを
お願いされるという
これまた珍しい展開だったが
真琴が男だというのが判明して
俺はその選択に納得していた
そっち系か。
「ほんじゃ
お邪魔しま〜っす」