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君を好きにならない

第1章 へぇ〜 平塚真琴さんって 真琴くんだったんだ〜



部屋はちょっと広めだが
ワンルーム


まぁ
そりゃ仕方ねぇ


平塚真琴は
まだまだ
駆け出しの新人作家

広い部屋に
住める訳がない


そして
その
ワンルームのど真ん中に
ドーンと存在していたのが

なんとも懐かしい

「こたつ」だった



「あ、えっ…えっと
あっ、そう
む、向井さん
今お茶を入れますから
座ってて下さい」


「あ、いやいや
先生にそんなことやらせちゃあ…
ま、でもせっかくなんでご馳走に
…てか…座んのココ?」


平塚真琴が
座ってろと言った
いや
座ってて下さいと言った場所は
もちろん


こたつ。


ほほ〜…

只今季節は
やっと涼しくなってきた頃

ま、まぁな
先取りっつーの?

そろそろ
夏も終わりだし
季節先取りで
こたつ…っつーか…

何れにせよ
ココしか座るとこねーけど。


「あ、はい、すみません。
僕、こたつがないと
書けなくて……」


ぼ、ぼ、僕〜〜〜!!


いや構わねぇよ
こたつでもなんでも

とにかく俺は
「僕」ってやつが激烈に好み

座っててやるよ
こたつでもなんでも〜


「懐かしいもん
使ってるんすね
平塚先生

ほんじゃ失礼して」


んん?


ま、そーだよな

そりゃそーだ



こたつに足を入れてみたが
中があったかい訳じゃなかった

今日は
若干蒸し暑いくらいだもんな
スイッチ入ってなくて
当たり前だ


だよな?先生




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