君を好きにならない
第11章 一筋の涙
「遅くなってすみません」
「いや、俺も来たとこだ」
「なに飲む」
「とりあえずビールで」
マサシは
走って来たのか
息も荒く
暑そうだった
「仕事終わったばっかりじゃなかったのか?」
「あーえーっと…」
「どうした?」
「すみません(苦笑)
嘘ついてました」
「ん?」
「職場、この辺なんかじゃないんです。
だから急いで走ってきました」
「なんだ(苦笑)
俺をつけ回してたのか?」
「…はい。
あ、でももう
やってないから…」
「ま、いいよ。
そんなにモテるなんてな
この歳になったらレアなことだ。
でも、もうすんなよ?
俺の連絡先もう分かったんだから
用がある時は電話かけてこい」
「はい」
マサシは
照れ臭そうに笑って
また口元を手で隠した
やっば
癖なんだな