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君を好きにならない

第13章 追跡

5日後



「明後日ですね…」


「あぁ…そうなんだよ」


いつもの
個室のある居酒屋。

昨日まで
酔いたくても
心底酔えない感じだったが
今日は
妙に酔いが回ってる気がする



「ピッチ早いですよ。
司さん、大丈夫ですか?」


そうか…ピッチが早いのか

そう思いながら
俺はまた
携帯に目をやった

真琴のアパートに行くのは
もう明後日なのに
真琴から一度も連絡が来てないんだ


「司さん?」


「ん?」


「聞いてます?」


「あぁ」


「くそーーーっ」


「え、なんだよマサシ」


「ほんと妬けます、真琴さんに。
俺も毎日会いに来たりしないで
シカトしてればよかったかなー」


そんなことを言いながら
マサシは手元の熱燗を空にした


「おい、お前こそ飲み過ぎだぞ」


「飲んでなきゃ
やってられませんよ。
俺、密かに
司さんが部屋に来てくれんの
待ってんのに
ぜーんぜん来てくれないんですから」


スネたりするマサシが
珍しくて
俺は吹き出してしまった


「お前が妙な宿題出すからだろ?」


「宿題?」


「名前間違えんなとかさ。
あんなの酔ってたら
やっちまうだろ?
それに小学生なんか
学校の先生をお母さんとか
言っちまうんだからな?
間違えるなっつーのは
なかなかの難題なんだよ」


「そーゆー問題じゃないんですよー
気持ちのことなんですって!
俺のことを
ぎゅーってしたいとか
俺にぎゅーってされたかったら
来ればいいんです!

てかもう
宿題とかどーでもいいかも(笑)」

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