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君を好きにならない

第15章 どっちなんだよ

「いただきまーす」


相変わらず
腹ペコなのか
豪快にハンバーガーを
頬張る真琴を見てるだけで
俺の頰が緩んで仕方ない

口元にソースを
つけたままだったり
ポテトを摘んだ手を
舐めてみたり…

とにかく
どれをとっても
真琴を抱きしめたくなる俺は
ほとんど病気だ


てか俺
こんなキャラだったか?


まぁ
こんな年下と
付き合うのは初めてだからな…

あ、付き合ってんのかどーか
よくわからねぇけど。


「あーーっ美味かったー」


真琴は
ハンバーガーを食べ終わると
さっさとゴミを片付けて
パソコンの前に戻り
またカタカタと
キーボードを打ちはじめた


「一文字も書けなかったのに
どうした?」


「向井さんとキスしたら
すげー書きたくなりました]


え・・
そういうこと
サラっと言うなよ


「それに
前に書いたとこで
直したいとこでてきたんです。
昨日から
直したくてウズウズしてたんで…

あ、向井さん
食べ終わったら
声かけて下さい。

それまで直しやってるんで」



「あ、あぁ…けどもう終わるけど…」


カタカタカタカタ…


もう俺の声は
聞こえてないのか(苦笑)


あんなこと言われて
キスしたくなった俺を
軽く放置する真琴が
憎らしくてたまらない


仕方なく
俺は真琴の後ろのソファに座り
真琴が打つ文字を見つめると

真琴が直してるのは
後輩が先輩のことを
好きになっていくくだりだった


そうか…
自分と重ね合わせて
心の描写を
書き直したくなったのか。


てことは
これを読めば
真琴の心が分かるかもしれない


俺達が
付き合ってんのかどうか


それと

真琴の『好き』の重さとかも



そう思って
俺が前のめりになった瞬間
真琴は手を止めて
俺を振り返った


「すみません。
やっぱりもうちょっと
待っててもらえますか?」


「あ、あぁ
かまわねーけどどうした?」


「直しは後でやります。
やっぱり思いついた最終章
忘れたくないんで
手が止まるまで
書いていいですか?」


え?
直しはやんねーのかよ。

読みたかったのに。

まぁでも仕方ねぇ。
筆が進むときは
好きなだけやらせないと…


「かまわねーよ。
お前の好きにしろ。
いつまででも待っててやるから」

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