君を好きにならない
第2章 真琴!死ぬなよ!
「あー思い出した
こないだの奴か」
このまま知らない振りをしてたら
オネェに
何を言われるかわかんねぇ
俺はそう思って
とりあえず
思い出したことにした
「思い出してもらえて
よかったです」
忘れてなんかいねーよ
ちょっと
お前のこと
探してたりしてたんだから
「オネェ
こいつは俺とはダメなんだよ」
「あら、どうして?」
「おんなじなんだ」
「あ〜〜…」
察しの早いオネェだ
「へぇー君、そっちなんだぁ〜
ぽくないわね
じゃあ
今度あたしが誘っちゃおうかなっ
あ、君
名前なぁに?
なんて呼べばいいかしら?」
「俺は……マ、マサシで
マサシって呼んで下さい」
「了解っ」
「おい、オネェ
もうあっち行ってろよ」
あいつがあんまり話すと
俺がタチだって
バレちまう
「はいはい
じゃあごゆっくり
また後でね
マサシくんっ」
「あ、はい」
オネェが
カウンターから出るのを見届けると
隣に座ってる
マサシとやらが
すぐ俺に話しかけてきた
「バーテンさん…
ぽくないですよね」
オネェが
タチだと信じたのか
マサシは
ちょっと不思議そうに
オネェを目で追っていた
「見かけにはよらねーんだよ」
「あ、はい…」
「で?
なんでココに来たんだ?
また痛い目に合うぞ」
「……どうしても…
会いたかったから…」