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君を好きにならない

第17章 見たことのない景色


エレベーターのドアをが開くと
俺達はすぐに身体を離し
真琴は俺に
イタズラに笑ってみせた


こっそり
つまみ食いをした
子供みたいで

可愛い


真琴は
先にエレベーターを降りて
玄関の鍵を開け
俺と一緒に中に入ると

今度は
俺を思い切り抱きしめて
舌を絡めてきた


「ん…まこ…」



「…いいじゃん…っ…

楽しみにしてたんだ
休みになるの……」


楽しみにしてたさ
俺だって


あれから
同じベットでは寝てはいるが
キスや抱擁以上のことは
していない

俺が家に居ないんだから
仕方ないが
真琴から
「ごっこ」の依頼もなく
「ごっこ」無しでも
執筆が順調だから
真琴と絡むきっかけを
掴めないでいた


リビングに移動すると
ふとパソコンが目に入り
今日書いた文を
チェックしたくなって
なんとなく俺が
パソコンの前に座ると

真琴はピタリと
俺の背後に座って
甘えるように
俺に抱きついた


「どうしたんだよ」


「イチャイチャしたいんだ」


「そーゆーこと
口に出すのは
恥ずかしくねーんだな」


「恥ずかしいよ。
でも言わなきゃ
してもらえないし
向井さんは
そんなこと言ってくれないから」


「俺は
四六時中そう思ってるから
言わないだけだ」


「……そっか」

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